脳梗塞悪化させる物質確認 新治療薬開発に期待
血管が詰まって脳内の血流が低下する脳梗塞(こうそく)が起きると、周辺の細胞からプロスタグランジンE2(PGE2)という物質が大量に放出され、脳障害を悪化させることを、北里大の佐々木泰治教授(薬理学)と大阪大の研究チームがマウスを使った実験で突き止め、27日発表した。
この物質が作られるのを抑える薬ができれば、脳梗塞に伴う体のまひや認知障害といった後遺症を減らすことも可能になり、佐々木教授は「年間50万人前後が起こしているとみられる脳梗塞の治療に大いに役立つ」と話している。
PGE2は血流を増加させるなど薬に似た働きも持つ。脳梗塞が起きた場所で多く放出されることは知られていたが、脳障害との関連は不明だった。
(共同通信) - 7月27日11時59分更新