“冷”に頼らず“涼”オフィス 翔栄クリエイトがコンサル
8月3日8時34分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
■五感を刺激 体感温度
■照明を寒色系/自然音BGM
涼しいオフィス空間を演出しよう。
オフィスデザインのコンサルティング事業を展開する翔栄クリエイト(東京都港区)は、冷房の設定温度を下げずに、ちょっとした工夫で涼しく仕事ができるワークスペースを作り出すプロジェクトに、今月1カ月間を通じ、全社的に取り組んでいる。
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「涼オフィス~五感で体感 涼やかオフィス~」として、オフィス環境で照明、壁、BGM(バックグラウンドミュージック)、香り、飲み物、観葉植物など、人間の五感に無意識に刺激や影響を及ぼす要素を取り入れて「涼」を演出した“仕掛け”にアイデアを出し合う。
同社は省エネルギーの観点から室温を28度に設定することは、「決して快適な室温とはいえない」といった声も多いことからプロジェクトを計画した。省エネ優先が働きやすさを犠牲にしている点を、オフィスデザインを手掛ける立場から、オフィスのあらゆる場所で清涼感を演出する仕掛け作りに取り組むこととした。
プロジェクトを実施するに当たっては、五感を刺激し体感温度を下げるという観点に加えて、「誰でも」「簡単に」「あまりお金をかけずに」という点も踏まえる。同社のデザイナーの監修によって、「涼オフィス」デザインのトータル・コーディネートを手掛ける。
プロジェクトのコンセプトを「自然回帰→森林浴・高原のイメージ」に据え、自然の中にいるときに味わえる涼やかさを感じさせ、リラックス効果やリフレッシュ効果を引き出すことをねらっている。
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具体的な例としては、視覚面においては熱力学温度で3000ケルビンの暖色を使用している照明を、4000~5000ケルビンの寒色系に変更することや、壁に寒色系の水色の布などを垂らすことなどを提案する。
また、映像としては、今回のプロジェクトに賛同した業務用音響照明器具の開発や設計施工を手掛けるグラフィカ(岡山市)が開発した、歩く人の動きに合わせて水面に波紋の出る空間演出装置「IKEPOCHA」を使用した映像も「涼」の演出効果があるとしている。
このほか、涼しげに感じるさわやかなミント系の香りを選んだアロマポットを配置し、嗅覚(きゅうかく)に訴える手法や、来訪客に対するもてなしとして、涼しさが感じられるジャスミンティーやライチティー、炭酸入りのミネラルウオーターを勧めている。また、ボサノバやジャズをメーンとしていたBGMを、清流の水音や高原の森の中にいるような音楽に切り替え、聴覚に訴える。
同社としてはプロジェクト期間中に全社員で取り組み、社内アンケートを実施することなどを通じて、アイデアが涼しさの演出に貢献できているかを検証する。
また、実際に同社が取り組んでいる例を、同社の本社がある麻布オフィスで公開している。
最終更新:8月3日8時34分