赴任特典は「馬」 医師確保へ“奇策” 遠野市

岩手県遠野市

なんとなく憧れる町でも、医者不足は深刻なようです。
スローなイメージのある町ですが、あまりのんびり構えていられない事情もあるようで。

それにしても 乗用馬をプレゼントとは、うらやましいような、
でも、もらったら世話が大変だ・・・

赴任特典は「馬」 医師確保へ“奇策” 遠野市
1月11日7時1分
配信 河北新報

 当地に赴任した医師には馬を1頭プレゼントします―。岩手県遠野市は新年度、土地柄を生かした「特典」を盛り込んだ医師確保策に乗り出す。開業医も含めて市内に産婦人科医はゼロで、核になる岩手県立遠野病院は診療科の3分の1が非常勤対応。家庭菜園の無償提供なども盛り込み、「危機を乗り切るためには独自のアイデアが必要」と必死の取り組み姿勢を訴えている。

 10日の記者会見で本田敏秋市長が発表した。同日付で市役所に5人体制(専任2人)の「市民医療整備室」を新設。新年度事業として、(1)開業費助成による開業医の誘致(2)特典や環境整備による県立遠野病院勤務医の誘致―に取り組む。

 開業助成は、新規開業する医師(歯科医は除く)が対象で、2000万円を上限として助成する。生活の本拠地を遠野市とし、10年以上診療することが条件。10年未満で撤退した場合は、期間に応じて助成金を返還してもらう。

 勤務医誘致は、暮らしのバックアップを柱に据えた。古くから馬産地として栄えた遠野は「馬の里」として知られ、乗馬牧場もあることから、希望する勤務医に乗用馬をプレゼントし、癒やしに活用してもらう。

 家庭菜園も無償貸与するほか、勤務医の公舎を地元ケーブルテレビが見られ、インターネットに接続できる環境に整える費用を補助する。



 遠野市には、総合病院の県立遠野病院のほか、開業医院(歯科医を除く)が9カ所ある。県立病院は11診療科のうち産婦人科、皮膚科、眼科、整形外科の4科が常勤医師が確保できないため継続診療ができず、月数回の非常勤対応でしのぐ。

 特に産婦人科は深刻。10数年前から開業医はおらず、市内唯一の県立病院の産婦人科が2002年度から月2回の非常勤対応になり、市内で出産できる医療機関がない状態が続いている。

 本田市長は「市民の暮らしを守るためには、医師不足解消が最大の課題。都会では味わえない特典を設け、遠野に興味を持つ医師の掘り起こしに努めたい」と新しい対策の狙いを話す。

 県医師確保対策室の尾形盛幸室長は「馬の提供はとっぴに思われるかもしれないが、インパクトがある。医師不足はそれだけ深刻。厳しい現状を全国に知ってもらう機会にもつながる」と遠野市の取り組みに期待する。

最終更新:1月11日7時1分


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