涙の廃棄 ダイコン200トン 萩の出荷組合 好天で安値に
好天の影響でダイコンの出荷量が増え、値下がりが続くため、県内最大のダイコン生産地、萩市吉部の「千石台だいこん」の生産者でつくる千石台出荷組合(松田秀男組合長、14戸)は29日、約200トンのダイコンを廃棄処分にした。農家が複雑な表情で見守る中、ダイコンはトラクターで次々と畑で処分された。
同組合によると、特産の「千石台だいこん」の出荷量は、11月は800トン以上に上り、平年に比べ2、3割増えた。このため、市場価格は1本当たり50、60円台で推移。平年比の30%前後の値下がり状態という。このままでは、安値傾向が続き、生産や運搬コストに見合った利益が得られないため、あぶらんど萩農協と協議して、生産調整を決めた。
廃棄作業を見守る農家は「涙が止まらない」「手間暇掛けて作ったダイコンを捨てるなんて」と唇をかんでいた。
同組合では今年、生産者が昨年より2戸増え、作付面積も15ヘクタール増えて、計100ヘクタールに拡大。今年の出荷量を4200トン(約3億円)と見込んでいた。
松田組合長は「非常に残念な結果で、現状では出荷しても赤字になってしまう。消費者はもったいないと思うでしょうが、生産者も同じ気持ちです」と悔しがっていた。
=2006/11/30付 西日本新聞朝刊=
(西日本新聞) - 11月30日10時11分更新