漁獲前線に異変続々 脂のったブリ まだ水揚げ

日本近海の海の海水温上昇率が高い、というニュースが出たばかり。

でも10年ほど前、南方の魚が釣れると知り合いが行っていました。
海の中でも、おおきな変化がおきているようですね。

漁獲前線に異変続々 脂のったブリ まだ水揚げ カマス2カ月遅れで登場 全国の市場5月17日17時7分配信 西日本新聞

 日本近海の魚類の水揚げに異変が相次いでいる。春ブリが2週間早かったり、3月後半から取れるカマスが5月半ばになって水揚げされ始めたり。季節外れの豊漁から極端な不漁まで、地域や魚種で差が大きいが、暖冬の影響を指摘する声もある。

 ●暖冬影響? 九州でも
 「千葉辺りが北限のアジが三陸沖でも取れた。逆に九州は量が薄い」。東京・築地市場。鮮魚をさばく荷受業者の男性(53)が首をひねる。「暖かい海を好むサワラが日本海側で取れ、逆にカレイみたいな寒いところの魚が少ない。緯度が一度くらい北にずれた感じだ」

 例年はゴールデンウイークごろピークになるカツオが、今年は2月中旬から取れた。「暖海性のサメが日本海で取れた」といった珍現象もめじろ押しという。別の業者(53)は「全般的に魚のサイクルが狂っている」とこぼした。

 気象庁によると、日本近海の海面水温は昨年11月ごろから平年より1、2度高い状態が続き、福島県沖の太平洋では3度も上回ったことも。同庁は「暖冬で空気が暖かかったため、海水との温度差が小さく、あまり熱が放出されなかった。海水を冷やす季節風も少なかった」と解説する。

 異変の報告は九州各地でも相次いでいる。長崎県の佐世保魚市場では、例年3月末からの春ブリの水揚げ開始が2週間も早かった。産卵のため東シナ海を南下する途中で取れる。市場の担当者は「8キロぐらいの大型が中心で、10万本以上取れた日もある」。福岡県内の魚市場では4月までに産卵を終え、やせてしまうはずのブリが5月中旬に入っても脂ののった状態で水揚げされている。

 一方、早いときは3月後半から取れるカマスが、5月中旬になってようやく宮崎や鹿児島で水揚げされはじめた。量はまだまだ少ないという。福岡県魚市場(福岡市)の担当者は「九州全域で同じ話を聞く。今までは考えられないこと。相場にもかなり影響が出ている」と戸惑いを隠さない。

 長崎県・対馬では3‐4月で終わるはずの大もののスルメイカが、いまだに網にかかる。かと思えば、5月に取れるはずのヤリイカは、まだ水揚げ量が少ないという。

 地球温暖化の魚類への影響を研究している山中康裕・北海道大学大学院准教授は「暖かい方の魚が早く取れたり、今まで取れなかった場所で取れたりするのは、まさに暖冬の傾向」と説明する。

 何も対策が取られなければ現在より2、3度温暖化が進むとされる今世紀末は、魚にとっても受難の時代になりそうという。「温暖化で暖かい海を好む魚は一時的に増えるが、食料のプランクトンがなくなると減る。冷たい海の魚は温度変化とプランクトン減少のダブルパンチで、もっと減る。水温1、二度の変化は魚にとっても重大です」

=2007/05/17付 西日本新聞夕刊=


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